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男性合計6,498人が抽出され、調査に応じたのは4,984人。生い立ち、出産、出産計画、非婚姻同居ならびに結婚、家族形成や保育に対する考え方や価値観、教育水準や就労状況などが調査された。部分的には、1981年の同様の調査をフォローするものである。」)、結婚に移行するカップルは普通2−3年の同居期間を経て行なうのが平均的である。25−29歳の非婚姻同居者が結婚を最も考えており、それ以上の年齢になると関心は減っていく。何故、結婚するのかという問いに対して、非婚同居者の半数近くが結婚は同居より責任をともなうシリアスな形態だからだと答えている。また、18%が子どものために結婚を選択していることが指摘される。
非婚姻同居は国際的に一般化してきているが、スウェーデンのそれは長期間に及ぶものであり、事実婚と呼ばれるように婚姻関係と変わらない性格をもち、多くの国の一時的な試験的結婚とは異なるものである。したがって、他の国と比較すると、非婚女性を母として生まれる子どもがスウェーデンでは圧倒的に多い。1960年以降、結婚総数の減少と平行して非婚女性を母として生まれる子どもが増え、1992年の統計によると第一子の約65%が非婚女性を母にもつ。総合して見ると、婚外子の出生は1960年の10%から1992年の50%へと大幅に増加していることが指摘される(SCB1995:2、3)。
また、子どもの権利を保障するという観点から、スウェーデンの事実婚は法的に結婚とほとんど同じ効力をもつものである。実際にもまた、事実婚カップルの関係は婚姻による夫婦関係と同様、家計を共同にし、子どもを一緒にもうけるのが普通である。事実婚カップルの間で、たとえば離別だとか死亡を予期して文書によるカップル解消契約を交わすのは稀である(1992年の「Familj och arbete」の調査によると、このような契約書を交わしていた事実婚カップルは17%であった)。
事実婚カップルの増加(表8)とともに指摘されるのが、単身世帯の増加である。
1980年代、婚姻・非婚姻カップルの形成は減少し、1975年から1990年にかけて単身世帯は約62万に上り6%の増加率を示している。とくに25−29歳の年齢グループに

 

表8 単身世帯(1,000)に対する新婚(1960)と新婚ならびに新非婚姻カップル総数:1980、1985、1990

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出所:SCB 1994:2 p.69

 

 

 

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